祈り
祈り
昨年1月28日、柴田長俊が逝去いたしました。
何もする気が起きないまま、ただ季節が移り変わり、あっという間にもう1年が経ちました。
ブログも全く更新しないままになっていましたが、そろそろ気持ちを引き締めて、残された絵画を引き続きご紹介していくつもりです。
改めて、よろしくお願いいたします。
昨年9月半ばより新潟の雪梁舎さまが回顧展を開いてくださいました。
この展覧会が、気持ちを切り替えるきっかけとなりました。
会期が終わるぎりぎり、11月2日に雪梁舎に伺った折、
それに先立ち、弥彦神社に参拝してまいりました。
弥彦神社は柴田が大好きだった場所で、スケッチ等で新潟に行くと、弥彦まで足を伸ばして参拝してきたと申しておりました。
弥彦神社には柴田の作品が奉納されており、そちらも見せていただくことができました。
空を覆い隠すような大木が林立する杜に囲まれてたつ神社は、荘厳でありながらおおらか、深く安心を覚える場所でした。
民俗学学者、宮本常一の言に「郷里から広い世界を見る、動く世界を見る」「それ以外に自分の納得のいく物の見方はできない」とあるそうです。
民俗学が好きだった柴田は若い頃からあちらこちらを旅して、様々な国を描いてきました。その時に、この言葉がいつも心の底にあったかもしれないと思わせる場所でした。